
滑舌を改善するために|た行の発音トレーニング
た行の発音トレーニング
滑舌が悪い方の中にも人によって、苦手な”行”というものがあるでしょう。
今回は滑舌トレーニングの”行”ごとの練習の第一回として、
た行の発音の仕方とその練習方法についてまとめました。
苦手な”行”の発音の仕方をおさらいしてみましょう。
《本記事で学べる内容》
1. た行の発音方法
①「た・て・と」の発音方法
②「ち」の発音方法
③「つ」の発音方法
2. た行が苦手な原因
①舌先の位置が間違っている
②舌の筋肉が弱い
③呼気が弱い
3. た行の発音トレーニング
①た行の単語練習
②た行の早口言葉
た行の発音方法
みなさんご存知のように、た行とは「た・ち・つ・て・と」の5音ですが、
同じた行でも「た・て・と」と「ち」と「つ」では発音の仕方が異なります。
それぞれの音がどのように発音されるのか理解しましょう。
①「た・て・と」の発音方法
これらの音は、上の歯もしくは歯茎から舌先を素早く離すことによって生まれる破裂音[t]に、
母音のあ・え・おを加えて発音します。
た・て・とを上手に発音するコツは、破裂音と同時に口を素早く開くことです。
なお、「て」や「と」が発音しづらい場合は、最初のうちは母音の「え」や「お」を強調して「てえ、とお」と発音すると良いでしょう。
②「ち」の発音方法
「ち」は、上の歯茎よりも少し奥にある硬口蓋に舌をつけ破裂音[t]を出し、
そこに硬口蓋と舌の隙間で生まれる摩擦音[ʃ]を加えて発音します。
摩擦音[ʃ]は、「し」の摩擦音のみの音と考えるとわかりやすいです。
③「つ」の発音方法
「つ」は、「ち」と同様まず[t]の構えを作り、舌を軽く上の歯につけたまま[s]を発音すると、
[ts]という破擦音が生まれるので、そこにウを加えることで発音します。
音の出し方の性質上、「ち」「つ」は「た・て・と」が上手く発音できてから練習をすると、
比較的楽に発音することができます。
た行が苦手な原因
「た行が苦手」とひとくちに言っても、いくつかの原因が考えられます。
苦手とされる人に多いパターンを3つほど紹介しましょう。
①舌先の位置が間違っている
前述の通り「た・て・と」と「ち」「つ」では発音の仕方も、舌の位置も異なります。
それぞれの舌の位置を改めて確認してみましょう。
②舌の筋肉が弱い
舌を所定の位置にとどめるための筋肉が弱い場合も、上手に破擦音が生まれず、
音が作られない原因となります。その場合は、舌の筋肉を強化するトレーニングを行いましょう。
③呼気が弱い
舌の筋肉と同様、破擦音を生みだすための重要な要素である呼気。
呼気が弱いと破擦音も弱くなってしまい、明瞭な発音ができません。
この3つのパターンに当てはめて、自分の苦手な原因がどこにあるのかを確認してください。
た行の発音トレーニング
た行の単語練習
言語聴覚士による構音訓練では、単語練習にあたって日常で使用する単語を集め、
語頭・語中・語尾に練習音が含まれる単語をそれぞれ20〜30個ほど練習します。
特定の単語が苦手な方は、苦手な単語を繰り返し練習しましょう。
1 )語頭に”た行”がつく単語
「た」がつく単語:タコ、タイ、たぬき、タラコ、タスク、田んぼ…etc.
「ち」がつく単語:チーズ、チキン、チョコ、チューブ、中華(チュウカ)…etc.
2 )語中に”た行”がつく単語
「た」がつく単語:メタボ、刀(カタナ)、熱海(アタミ)、板前(イタマエ)…etc.
「つ」がつく単語:キツネ、まつ毛、カツオ、さつき、マツダ…etc.
3 )語尾に”た行”がつく単語
「て」がつく単語:カルテ、切手(キッテ)、軍手(グンテ)、ダンテ…etc.
「と」がつく単語:トマト、バント、仕事(シゴト)、ミント…etc.
参考にいくつか例をあげましたが、自分の苦手な音が使われている単語を考えてみましょう。
この練習を続けることで、日常会話で苦手な単語が出てきた時に正しい発音をしやすくなります。
参考にいくつか例をあげましたが、自分の苦手な音が使われている単語を考えてみましょう。
この練習を続けることで、日常会話で苦手な単語が出てきた時に正しい発音をしやすくなります。
た行の早口言葉
た行の早口言葉で有名なものをご紹介します。
一音一音を意識することができたら、挑戦してみてください。
・この竹垣に竹たてかけたのは 竹たてかけたかったから 竹たてかけたのです
・たいへん達者な足袋屋さん 太鼓の代わりにたらいをタンタン たたいて啖呵きる
・とてちてた とてちて とてちて とてちてた おっと踊った
とんつつ とんつつ ととんつつ どんたく踊りを踊ろうぞ
・その土の特質をもう少し秩序立てて語ってください
・とちった とちった とんだドジだと 多田の父っちゃん ただ地団駄
早口言葉のコツは、最初はゆっくり読んでリズムを確認し、
徐々に早口にしていくことです。
た行を上達させるには破裂音を制すべし!
た行の基本となるのが、硬口蓋と舌先、呼気によって生まれる破裂音[t]です。
いま一度、自分の発音がうまくいかない原因が何かを考え、練習しましょう。
必要であれば、呼吸方法の改善やや舌の筋力トレーニングを行うと効果的です。